外食

外出や会食が多いビジネスマンにとって、「1週間で1度も外食をしない」ということはあまりないかもしれません。外食店の増加や食事内容の欧米化にともなって、日本では食事の影響による疾病が急激に増加しています。

外食をする際、とくに注意しなければならないのが「塩分」です。塩分の過剰摂取は高血圧を招き、さまざまな疾病のリスクを高めてしまいます。

今回は、ビジネスマンが押さえておきたい外食時の減塩方法と、自宅でできるおかずの減塩方法について詳しく解説します。外食が多くても健康維持をしたい男性は、ぜひ参考にしてみてください。

1日の塩分摂取の目安量と日本人男性の現状

塩分摂取量の削減は、日本の大きな課題といえます。しかし、接待や忙しさから減塩の重要性を理解しつつも塩分の制限がなかなかうまくいかず、食事に頭を悩ませる男性は多いものです。なかでも外食するときは、私たちの想像をはるかに超える塩分量を摂取していることも少なくありません。

2020年に改定された日本人の食事摂取基準では、2015年版から成人の塩分摂取目標量が1日につき0.5g引き下げられ、男性7.5g未満に設定されました。また、2020年版には新たな高血圧及び慢性腎臓疾患(CKD)の重症化予防の目標として、1日6.0g未満の塩分摂取が目標と設定されています。[注1]

2019年の国民健康栄養調査によると、男性の塩分相当量の中央値は以下のとおりです。[注2]

 男性女性
20-29歳  9.8g8.1g
30-39歳10.2g8.5g
40-49歳10.3g8.5g
50-59歳10.2g8.9g
60-69歳11g9.3g

どの年代の男性も、目標量の2g以上も塩分摂取量が回っていることがわかります。このように、すべての年代の男性にとって塩分過多は問題となっているのです。

[注1]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)[pdf]

[注2]厚生労働省:令和元年国民健康・栄養調査報告[pdf]

ビジネスマンの外食時における塩分制限のコツ

それでは、仕事に打ち込むビジネスマンが健康を維持するために塩分摂取量を抑えるには、どうしたら良いのでしょうか。ここでは、ビジネスマンが外食するときに押さえておきたい塩分制限のコツを、食材ごとに紹介します。

寿司と醤油

ごはんもの

白米には塩分は含まれません。しかし減塩を心がけるのであれば、味付きのごはんには注意が必要です。

寿司

多くの日本人が好む寿司を食べるときは、気をつけなければ想像以上に塩分を摂取してしまうことになります。

寿司は1貫当たりの塩分が約0.2gです。さらに、シャリに醤油をつけると、塩分は約+0.6gとなります。つまり、醤油をつけて寿司1貫を食べるだけで、約0.8gの塩分を摂取することになるのです。同様に10貫食べれば1食で塩分摂取量が8gとなってしまい、あっという間に男性の塩分摂取目標量を超えてしまいます。

寿司を食べるときに減塩するコツは、醤油をよく吸うシャリではなく、ネタに付けることです。

丼もの

丼ものも、日本人男性が大好きな料理のひとつです。すぐに食べられて満足感も高い丼ものは、多くのビジネスマンのランチとして選ばれています。

上にかけられているタレを吸った白米が好きだという男性も少なくはないでしょう。しかしこのタレを吸った白米こそが、塩分の摂りすぎにつながるのです。

以下に、主な丼もののおおよその塩分を紹介します。

  • 天丼 3.8g
  • カツ丼 4.4g
  • 親子丼 3.9g
  • 牛丼 4.4g

このように、1食丼ものを食べるだけで男性の塩分摂取目標量の半分を満たしてしまうことになります。

丼ものの塩分を減らすコツは、タレを少なくすることと、タレをよく吸っているご飯を残すことです。タレを吸った白米が塩分過多の原因となるため、完食することは避けておきましょう。

丼ものには、塩分が多い味噌汁や漬物などがついてくることも多いです。食べる料理と量を取捨選択して、塩分量を調整することをおすすめします。

味付けごはん、炊き込みごはん

味付けご飯や炊き込みごはんは、白米に味の濃い調味料を追加しているぶん、塩分量が高くなります。自宅で作るときは自身で調味料を調整できますが、ビジネスマンが外食するときはそうもいきません。

減塩を意識するのであれば、なるべく白米や玄米などの味がついていないものを選択しましょう。

麺類

麺類が塩分摂取過剰となる原因は、スープやつゆにあります。

ここでは、主な麺類の塩分を紹介します。

  • ラーメン 5.2g
  • 冷やし中華 3.8g
  • ざるうどん 3.5g
  • うどん 4.7g
  • ざるそば 3.0g
  • かけそば 4.3g

麺をつゆに付けて食べる「ざるうどん」や「ざるそば」は、比較的塩分が低いです。麺類を食べるときは、つけるタイプのメニューを選ぶとよいでしょう。ただし、ビジネスマンが減塩する鉄則として「汁を残す」ことを意識してください。

ソース類、ドレッシング

「味が濃いものが好きだから」と、ソースやドレッシングをたくさん使ってしまう男性も多いでしょう。しかし、おいしさと高い塩分量は切り離せません。ソース類やドレッシングの使い過ぎは塩分の過剰摂取につながるので、外食が多いビジネスマンは調味料の掛けすぎに十分に気をつけましょう。

主なソース類とドレッシングの大さじ1の塩分量を見ていきましょう。

  • ウスターソース 1.5g
  • 中濃ソース 1g
  • オイスターソース 1.3g
  • ケチャップ 0.5g
  • マヨネーズ 0.2g
  • 和風ドレッシング 0.7g
  • ごまドレッシング 0.5g
  • イタリアドレッシング 0.7g
  • フレンチドレッシング 0.6g
  • シーザードレッシング 0.4g

意外と塩分量が少ないのがマヨネーズですが、カロリーや脂質は高めです。ソース類は塩分が非常に高いことがよくわかります。

ビジネスマンが外食するときの塩分に関する注意点をまとめると、下記のようになります。

  • お寿司の醤油はネタにつける
  • 丼ものは汁やタレを吸った白米に注意する
  • 味付けごはんや炊き込みごはんは避ける
  • 外食で塩分が多いものを食べるときは、汁物や漬物は控える
  • 麺類はかけ汁ではなく、つけ汁を選ぶ
  • ソースやドレッシングの使用量に注意する

しっかり意識して、外食での塩分制限を心がけていきましょう。

また、メニューで塩分を表示している外食店舗も増えています。塩分表記も気にしながら注文する食事を選ぶとよいでしょう。

塩分制限が難しい食べ物

どれほど気をつけていても、塩分が高くなってしまう食材がいくつかあります。外食や自炊のときにこれらの食材を食べると、料理の塩分が一気に上がるので要注意です。

  • 漬物(10g当たり)…たくあん0.4g、高菜0.3g、しば漬け0.4g
  • 梅干し(10g当たり)2.2g
  • 明太子(10g当たり)0.6g
  • チーズ…スライチーズ(1枚)0.5g、とろけるチーズ(1枚)0.3g、ベビーチーズ(1個)0.4g

ごはんによく合う漬物や梅干し、明太子などを好む男性は多いものです。また、チーズも料理によく使われる食材です。

しかし、これらの食材は非常に塩分量が高いです。減塩したいのであれば、食べる頻度をなるべく抑えるように意識しましょう。

男性が自炊するときにおかずを減塩するコツ

自炊する男性

外食が少なく自炊をする習慣がある男性であっても、実は塩分に注意する必要があります。濃い味付けが好きな男性は非常に多く、自炊で自分の好きなように味付けした結果、濃い口になってしまうケースが多いためです。

ここからは、男性が自炊するときにおかずを減塩するコツについて見ていきましょう。

減塩の調味料を使用する

減塩が注目される日本では、減塩の調味料も増加傾向です。男性が自炊する際は、よく使う調味料を減塩タイプに変更するだけでも、減塩成功への第一歩といえるでしょう。

だしを上手く利用する

だしを上手く活用することで、旨味が増し塩分を控えることができます。塩分を抑えると味が物足りないと感じてしまう男性は、だしを増やしてみましょう。

素材の味を閉じ込める片栗粉の利用

片栗粉は肉や魚などを調理する前に表面に軽くまぶすだけで、旨味を閉じ込めてくれる働きがあります。自炊をするときに片栗粉を活用して素材の味を活かすことができれば、自然と使用する調味料の量も減るでしょう。

酸味を取り入れる

酸味は素材の味を引き立て、口に入れたときに感じる塩味を強める効果をもつことを知っている男性はあまり多くないでしょう。なかでも酢は、塩分と関連して血圧を下げる効果をもつ調味料です。自炊する男性は、積極的に酢を料理に取り入れましょう。

外食が多いビジネスマンは減塩を意識して体調を整えましょう

外出や会食が多い男性は外食が多くなってしまうため、塩分を過剰摂取してしまうリスクが高いです。外食のときはスープや汁物のほか、ソースやドレッシング、調味料などにも気をつけましょう。

塩分の過剰摂取は、日本人が近年抱える健康課題のひとつです。さまざまな疾病のリスクを高めてしまう原因となるため、外食するビジネスマンだけではなく、自炊する男性もぜひ減塩生活を意識してみてください。

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