ビジネスとアートには接点がないと思われがちですが、アートセンスを学ぶことによって培われる観察力や思考力、表現力、独創性は、いずれも経営者や上級ビジネスマンにとって欠かせないスキルです
実際、世界中の経営者やビジネスエリートの多くは、会社経営やキャリアアップのために、自身のアートセンスを磨くことに注力しています。
「他にはない独創的な商品やサービスを生み出し、業界のトップを目指したい」「ビジネスマンとしてさらなるキャリアアップを実現したい」といった目標を掲げているのなら、日常生活でアートセンスを磨くことを意識してみましょう。
今回は、ビジネスエリートがアートを学ぶ必要性や、ビジネスマンがアートセンスを磨く方法について解説します。
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世界のビジネスエリートはアートを学んでいる
これまでビジネスとアートを結びつけて考えたことのない人にとって、世界の経営者やビジネスエリートが率先してアートを学んでいるという事実は、にわかには信じられないことかもしれません。しかし、実際に企業の経営者がアートを学び、そこで培った能力やスキルを活かして大成している例は世界のあちこちで散見されます。
たとえば、起業家や新規事業を立ち上げたばかりの企業に対して適切な支援を行うシードアクセラレーター会社を運営するアメリカの起業家ポール・グレアム氏は、もともとは大学でコンピューターサイエンスを学んだ理系の人間でした。
氏は一方でアートへの情熱も強く、大学院を卒業後は一点して美術学校に入学。コンピューターサイエンスと美術という、一見すると相反する分野を学ぼうとする彼に周囲は驚いたそうですが、本人は「ハッカーと画家には、よりよいものや美しいものを作るためのインスピレーションを必要としている」点で共通しており、両者は非常によく似ているものと認識していたそうです。
また、多少趣きは異なりますが、製品をアート、開発者をアーティストとして扱ったという逸話を持つAppleの創業者スティーブ・ジョブス氏も、ビジネスとアートを結びつけて考えていた経営者のひとりです。ジョブス氏はさまざまなアーティストの影響を受け、自らもアーティストであることを自認しながら、人とは異なる感性で多くの業績を成し遂げてきました。
こうした偉大な経営者の事例もあり、現在は世界中の経営者やビジネスエリートがアートを学ぶことの重要性に気付き、率先してアートセンスを養う行動を起こしています。
ビジネスマンがアートを学ぶべき4つの理由
冒頭でもご紹介した通り、ビジネスマンがアートを学ぶと、ビジネスに役立つ観察力や思考力、表現力、独創性などのスキルを向上することができます。
ここでは、ビジネスマンがアートを学ぶことによって養われるスキルと、そこから得られるメリットを4つにわけてご紹介します。
観察力の向上
経営者やビジネスエリートがビジネスチャンスをつかむためには、優れた観察力が必要です。
観察力を養えば、ビジネス相手が何を望んでいるのか、どんなことに興味・関心を抱くのか、迅速かつ正確に把握できるようになります。必要なときに必要なものを提案することができれば、相手の購買意欲や契約意識が高まり、新規顧客や新たなビジネスパートナーの獲得につながるでしょう。
アートを学ぶと、この絵は何を描いたものなのか、それを見て自分はどのように感じたのか、などを意識的に考えるようになり、ものの捉え方や感情の動きを学ぶトレーニングになります。
思考力の向上
アートを鑑賞した時に感じたこと、思ったことは人それぞれで、解釈の仕方は見た人の数だけ存在します。
たとえば、男性と女性の2人が描かれた絵画を鑑賞したとき、男女を夫婦と思う人もいれば、兄弟や友人、あるいはたまたま居合わせただけの赤の他人と考える人もいます。
さらに一歩踏み込んで、この男女は何をしているのか、この後どうするのか、お互いがどんな感情を抱いているのか…などについて思い巡らせていくと、物事をさまざまな視点でとらえ、仮説を立て、それを検証するという思考力のステップを辿ることができます。
ビジネスでは、物事を多角的にとらえ、どのようにアプローチすれば効果的なのか仮説を立て、実行可能か検証するというプロセスが日常的に行われています。
こうしたプロセスをスムーズにこなすために必要な思考力も、アートを鑑賞する過程で自然と培っていくことができます。
たとえば2人の男女が描かれた絵を鑑賞する際、「この絵に描かれた男女はどんな関係なのか」「何をしようとしているのか」「この後どうなるのか」などについて思いを巡らせていくと、物事をさまざまな視点でとらえ、仮説を立て、それを検証するというステップを辿ることで、思考力が養われていきます。
思ったこと・感じたことを言葉で表現できる
自分の意思や熱意を伝えたいのに、なかなかうまい言葉が見つからない…というのは、ビジネスシーンでもよくあることです。とくにプレゼンテーションの場では、限られた時間の中で、いかに相手の心を打つ言葉を投げかけられるかどうかが焦点となります。
アートを鑑賞し、感じたことや思ったことを言葉にする習慣をつければ、ビジネスでもより効果的に自分の思いや情熱を相手に伝えられるようになります。
とくに商談やプレゼンテーションは時間が限られていますので、短時間で自分の思いや意思を伝えられるスキルを身につけていきましょう。
独創性を高められる
新たな商品やサービスを開発し、世間から注目されるためには、それまでにない独創性を求められます。アートはその最たるもので、特に美術館などに収蔵されている作品は、他とは一線を画したオリジナリティにあふれています。
個性豊かなアート作品に触れることで、自分にはない視点や美意識、感性を養えば、これまでにない全く新しいコンセプトの商品・サービスを生み出す能力を育むことができます。
実際、アートに関する実証研究では、アートに触れるなど審美的な経験への開放性が高い被験者の方が、そうでない被験者に比べて大きなインスピレーションを得られること。創造性が高まることが明らかになっています。[注1]
[注1]立命館大学:ビジネスにおけるアートの活用に関する研究動向[pdf]
ビジネスマンがアートセンスを磨く方法
アートセンスというと、持って生まれた天性の才能というイメージがありますが、実際には努力を惜しまなければ誰でもセンスを磨き上げることができます。「これまで芸術に触れたことがない」「絵が下手だからアートセンスがない」などと諦めずに、今からでもアートセンスを磨くための行動を起こしてみましょう。
ここでは、ビジネスマンがアートセンスを磨くために実践したい方法を2つご紹介します。
インプットを増やす
現代はインターネットの普及により、知りたい情報だけをピックアップして調べられるようになりました。
時間に無駄がなくなった一方、自分が知りたいと思ったもの、調べようと思ったものにしか触れる機会がなくなり、視野が狭まったのもまた事実です。インプットする情報が少なくなると、いつも同じようなものしか見聞きしなくなり、センスや感性が育たなくなってしまいます。
さまざまな媒体から多種多様な情報をインプットすると、自分では気付かなかったアイデアや美意識を発見したり、新たな自分の嗜好を見出したりするきっかけになります。たとえば、これまでネットやSNSがメインだったという人は、テレビやラジオ、新聞を見る習慣をつけたり、美術館やアートギャラリーに足を運んだりして、これまでの自分の日常になかった情報をどんどんインプットしてみましょう。
アート作品に触れてディスカッションする
アートセンスを磨くには、なるべくたくさんのアート作品に触れる必要がありますが、ただぼんやりと鑑賞するだけではあまり効果がありません。そこでおすすめしたいのが、友人や仲間たちと一緒にアート作品を鑑賞し、互いに感想を話し合う「ディスカッション」の実行です。
前述の通り、物の捉え方や考え方は人によって異なりますので、同じアート作品を見た場合でも、それぞれ感想や解釈の仕方に差が出ます。
ここで重要なのは、自分と異なる感想・解釈を述べた人を批判するのではなく、「そういう見方もあるんだな」と多様性を認めることです。自分とは異なる他人の感想や価値観に触れることで、自分にはない物の見方や捉え方を学ぶことができます。
アートセンスを磨けば、ビジネスマンに欠かせない美意識も追求できる
ビジネスマンがアートセンスを養うと、商談や新商品・サービスの企画開発に役立つだけでなく、普段の身だしなみを整えるセンスも培うことができます。ビジネスマンにとって第一印象は非常に重要な要素です。美意識を磨いてセンスの良い髪型、ファッションを取り入れれば、ビジネス相手から好印象を抱いてもらえるでしょう。
アートを学んでビジネスマンに必要なセンス・スキルを磨こう
ビジネスマンがアートを学ぶと、仕事に必要な観察力や思考力、表現力などのスキルを養うことができます。世界のビジネスエリートの中には、アートを学び、仕事で成功したケースも多く見られますので、ビジネスマンとして精進したいのなら、日々の生活の中でアートセンスを磨くことを意識してみましょう。
アートセンスの向上によって美意識がアップすれば、外見の魅力も引き出せて一石二鳥の効果が期待できます。
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