食事風景

男性一人ひとりの体質合った食事を摂取することで、疾病の予防や改善が目指せます。実際に病院では、遺伝子レベルでの個人に合わせた治療食なども提供されています。

遺伝子研究によると、遺伝子の約2割が先天的、残りの8割が後天的な環境や生活習慣・食習慣によって変化がもたらされると言われています。そして、遺伝子の変化が体に影響を及ぼすことから、疾病リスクの増減や老化防止に関与していることも分かっています。

厚生労働省によると、男性は40歳を超えると2人に1人はメタボもしくは予備軍だといわれています。取引先の接待やコンビニ食が多くなりがちなビジネスマンは、仕事と健康を両立するために、とくに遺伝子の特徴に合った食生活を送ることが大切です。[注1]

今回は、男性が意識したい遺伝子と食事の関係性について、詳しく解説します。

[注1]厚生労働省:国民健康・栄養調査(平成16年)

メンズが知っておきたい!食事に影響を受ける3つの遺伝子

たとえ同じ食べ物を食べても、遺伝子の違いによって栄養素の吸収や代謝の仕方に違いが生まれ、体型にも変化が現れます。つまり、私達の今現在の体型や体質には、遺伝子が深く関係しているということなのです。

「三大栄養素」という言葉は、普段料理や栄養を意識することのない男性にとっても馴染み深いものでしょう。三大栄養素とは、私たちの体をつくるうえでとても重要な栄養素である「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」の3つを指します。

遺伝子には三大栄養素の代謝に関連する、「肥満遺伝子」と呼ばれるものが存在しています。そして、私達の体型にも関わる肥満遺伝子には、現在50以上もの種類があることが確認されています。

日本人のうちの97%が、その肥満遺伝子の中にある「β3AR(糖質代謝に関わる遺伝子)」「β2AR(たんぱく質に関わる遺伝子)」「UCP1(脂質代謝に関わる遺伝子)」のいずれかに変異があるという統計結果があります。[注2]

[注1]厚生労働省 e-ヘルスネット:肥満遺伝子

糖質代謝に関わる「β3AR遺伝子」

β3AR遺伝子に変異が認められる男性は、脂肪の分解・燃焼が抑制され、基礎代謝が低下してしまう恐れがあります。その結果、余った糖分が内臓脂肪としてため込まれ、ウエスト周りから太りやすくなる傾向にあります。

たんぱく質に関わる「β2AR遺伝子」

β2AR遺伝子に変異が認められる男性は、体内でたんぱく質を早い段階からエネルギーとして消費してしまう傾向にあるため、筋肉がつきにくいです。基礎代謝が高く太りにくいとも言えますが、筋肉量が少ない傾向にあるため、一度太ると痩せにくいことが考えられます。

脂質代謝に関わる「UCP1」

UCP1に変異が認められる男性は、皮下脂肪の燃焼が苦手で基礎代謝が低くなりやすく、油脂を取り過ぎると太りやすい傾向にあります。

また、この遺伝子は体温維持にも関与していることが分かっており、変異が認められる場合には体の冷えも感じやすくなるでしょう。

男性が栄養素の代謝に関わる遺伝子を把握する2つのメリット

食材を選ぶ

栄養素の代謝に関わる遺伝子があり、それらが肥満や体型に関与していることを紹介しました。

普段の生活で遺伝子について意識する男性はいないかもしれませんが、自身の遺伝子を把握することには、2つの大きなメリットがあります。

栄養素から自分に合う食材を見つけることができる

「〇〇は体に良いから積極的に食事で摂り入れましょう!」という言葉をよく聞きますが、これは一般論であり個人にスポットを当てた話ではありません。

「この食材には糖質が多く含まれる」「脂質が多く含まれる」「たんぱく質が少ない」など、食材ごとに含まれる栄養素は異なります。いくら一般論で体に良いといわれている食材でも、「遺伝子的に見て糖質の消費が苦手な男性」が「糖質の多い食材」を頻繁に摂っていては、肥満に繋がるでしょう。

また、スポーツをしている男性や日頃から筋トレをしている男性の「β2AR遺伝子」に変異がみられた場合を考えてみましょう。「β2AR遺伝子」の変異を知ったうえで、積極的にたんぱく質を摂取した場合とそうでない場合では、筋力やパフォーマンスに大きな差が現れます。

このように遺伝子を知ることで、自分が控えるべき栄養素や積極的に摂り入れるべき栄養素を知ることができるのです。

肥満の予防やダイエット効果が期待できる

たとえば同じような体型の男性が、「糖質ダイエットは効果的で早く痩せる」という情報のもと同じダイエットを行ったとします。全く同じメニューの食事をして同じメニューの運動をしても、遺伝子の違いによって体重の減少率には個人差が現れます。

対して、ご自身の遺伝子情報を知り「自分は糖質を消費しやすいが、脂質は消費しにくい体質である」と把握できている場合はどうでしょう。遺伝子の性質からこの男性は、糖質制限よりも脂質制限の方が、結果的により多く体重を減らせるということが判断できます。

このように、遺伝子の違いをしっかりと知っていれば、効率的に肥満の予防やダイエットをすることができるのです。

男性におすすめの遺伝子ごとの食事法や食材

ここでは「β3AR(糖質代謝に関わる遺伝子)」「β2AR(たんぱく質に関わる遺伝子)」「UCP1(脂質代謝に関わる遺伝子)」の変異に合わせた食事法や食材を紹介していきます。

これからダイエットしたい男性や健康的tビジネスの両立を目指したい男性は、ぜひ参考にしてみてください。

β3ARに変異がある場合

β3ARに変異がある男性は、余分に摂取した糖質を内臓脂肪として取り込んでしまう傾向にあるので、過剰な糖質の摂取には注意が必要です。そのため、日頃からごはんやパン、麺などの主食の量は軽めを心掛け、おかずをメインに摂取するようにしましょう。

ただ、芋類は糖質が多く含まれるので注意が必要です。また、間食をする習慣があるビジネスマンは、糖質量にも注意しましょう。

β2ARに変異がある場合

β2ARに変異がある男性は、たんぱく質を消費しやすい体質であるため、積極的にたんぱく質を摂取する必要があります。

たんぱく質は肉や魚、卵などの「動物性たんぱく質」と、大豆や小麦などの「植物性たんぱく質」の2種類があります。それぞれの食材で摂取できるアミノ酸の種類は異なるため、両方を摂取する必要があるでしょう。

動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の両方を摂れる料理の一例としては、「肉豆腐」「マーボー豆腐」「鴨南蛮そば」「マグロとアボカドのサラダ」などが挙げられます。

また、メイン料理で動物性たんぱく質を摂り入れ、副菜として冷奴や納豆、ブロッコリーや大豆のサラダなどを摂り入れると良いでしょう。

UCP1に変異がある場合

UCP1に変異がある男性は、脂質の代謝が苦手な傾向にあるため、脂質の過剰摂取には注意が必要です。揚げ物はなるべく避け、炒め物より蒸し料理や焼き料理を選ぶように心掛けましょう。

乳製品は体に良いとされていますが、脂質含量が多いため過剰摂取には注意しましょう。また間食のときは、脂質の多いスナック菓子やドーナツ、アイスクリームなどは控えて、和菓子を選択するのがおすすめです。

男性が遺伝子に合わせた食事を摂るうえで注意すべきこと

大量の皿

遺伝子に合わせた食事を心がけるあまり、食材を過度に控えたり過剰に摂取したりすることは避けてください。男性の健康維持に大切な栄養が不足してしまい、体のバランスが偏るきっかけとなります。

今回は主に三大栄養素についてお話してきましたが、私達が日々活動するうえで必要な栄養素には、三大栄養素のほかにもビタミンやミネラルなどが含まれます。

偏った食生活をすることで、ほかの栄養も失う可能性が十分に考えられます。食事の際は、バランスよくいろいろな食材を摂取するように意識しましょう。

とくに男性は、忙しさや取引先の接待などが原因で、タンパク質や脂質に偏った食事になりがちです。「過剰と不足」に注意して、バランスの良い食生活を送りましょう。

遺伝子を把握して健康的にメンズの食事改善をしよう

研究の発展により、栄養素の消費に関与する遺伝子を知ることで、個々に合った食材や食事にアプローチできる時代になりました。近年では、遺伝子は食生活や環境で変化することも研究で分かっています。

遺伝子という、より個人に密接で新しい観点から食事を変えていくことは、メンズの体型維持・改善に役立ちます。ひいては、健康であり続ける近道であると言っても過言ではないでしょう。

とくに厚生労働省によると、男性は40歳を超えると2人に1人はメタボもしくは予備軍だといわれているため、遺伝子の特徴に合った食生活を送るようにしましょう。

ダイエットの経過

ご自身の遺伝子を把握して最適な食事を摂りたいと考えているビジネスマンは、メンズ専用サロンのトランザットが提供するオンライン食事指導サービスをご検討ください。遺伝子検査に加えて腸内フローラの検査をおこなったうえで、プロによる正確な食事指導を受けられます。

検査キットは自宅に届くので、忙しいビジネスマンでも簡単に取り組めます。興味がある方は、ぜひご相談ください。

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